第07条相続でもめます。

住まいは分割できません。その管理や処分には所有者の一定割合の合意が必要なため、共有で相続すると、意思決定できず、空き家になったり、管理されにくくなりがち。処分や管理を巡ってトラブルになることも・・・。

相続でもめます。

相続の方法

相続財産(空き家)については、遺言書があれば遺言に従って相続が行われることになりますが、遺言書がなければ相続人全員で協議(話し合い)をして相続財産の分け方を決めることになります。法定相続割合が基本とはなりますが、話し合いで自由に決めることができます。

法定相続

法定相続人は図のとおり。図の中心の被相続人が亡くなった場合、第1順位の方に相続されます。第1順位の方が1人もいない場合、後順位の方が相続人になります。なお、配偶者はどの順位でも必ず相続人になります。また、各順位に応じて相続割合が定められています。

法定相続人

共有名義になった場合

法定相続などにより、住まいを共有持分とした場合、行為の内容により共有者の一定割合の合意が必要になります。

●保存行為(建物のメンテナンス、雑草木伐採など)

原則として、共有持ち分にかかわらず、共有者が単独で行うことが可能。(民法252条ただし書)

●管理行為(賃貸借契約の解除など)

各共有者の持分の価格に従い、その過半数の合意が必要。(民法252条本文)

●変更・処分行為(増改築、売却、解体など)

共有者全員の合意が必要。(民法251条)

共有名義人が死亡した場合、共有持分が相続人の数だけ細分化することになり、合意形成はさらに困難になる例が多くあります。

相続放棄

相続放棄とは、住まいだけではなく、預貯金や負債なども含め、全ての財産を相続しないことです。相続人になったと知ってから3箇月以内に家庭裁判所に対し手続を行うことが必要です。(民法915条1項)
空き家の相続を放棄しても、別の相続人に引き継がれるまでは管理義務が残るため、引き続き管理していく必要があります。なお、相続人全員が相続放棄した場合も、自動的に空き家は国の財産にはなりません。

相談先:第23条 専門家に頼ろう。