第09条調べよう。

空き家の活用や処分には、様々な制約があります。どれだけ劣化しているのか、どんな規制があるのか、いくらで売却できるのかなど。これらの条件を整理することで、より具体的な検討が可能になります。まずは調べてみましょう。

調べよう。

建物の性能

●耐震性能

1981年以前に建てられた住まいは、必要な耐震性能がないことがあり、活用に当たって支障となることがあります。建築士による「耐震診断」により、耐震性の有無を調べることができます。県内のすべての市町で無料又は低廉な費用で診断できます。市町の担当窓口に相談しましょう。

相談先:県各市町の住宅耐震改修等助成制度の窓口

●劣化状況

屋根、外壁、主要構造部などの劣化が進んでいる場合にも、活用に当たって支障となることがあります。既存住宅状況調査技術者等による「建物調査」(インスペクション※)により、劣化状況を調べることができます。

相談先:第23条 専門家に頼ろう。

インスペクション:既存住宅状況調査技術者や建築士が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行う専門業務を指します。

建物の規制等

建物が立地する場所によって法や条例の規制により、活用できる用途が定められています。市町の建築担当窓口に問合せてみましょう。

●市街化調節区域

都市計画法に基づき、市街化を抑制する「市街化調整区域」として定められた土地では、建物の利用者や利用方法が制限されているため注意が必要です。ただし、市街化調整区域であっても、制限が緩和される場合※もあります。

特別指定区域制度:市町又は地域のまちづくりを行っている団体が、市街化調整区域の土地利用計画を策定し、この土地利用計画に基づき市町から申出がなされる区域を県が条例に基づき指定し、地域に必要な建築物を建築できるようにする制度(兵庫県が開発許可の権限を有する市町等で適用)。

●接道

敷地が道路に一定以上接していないと、再び建築することができない場合もあります。

土地の規制等

●ハザードマップ

洪水、土砂災害、津波、高潮、ため池の決壊など、自然災害のリスクを把握しておくことで、土地や建物の今後の利活用に際して、備えをしておくことができます。その土地の危険性についてはハザードマップが公開されています。ハザードマップは、県ホームページ「CGハザードマップ」や市町の防災担当の窓口で確認しましょう。

外部サイト:ハザードマップ

●農地や山林の制限

建物の敷地以外に農地や山林を所有している場合、それらにも様々な制限があります。農地は、農地法の制限により売買や地目の変更等ができないこともありますので、市町の農林担当部局に問合せましょう。山林は、森林法の制限により、保安林の指定をされていると、活用できないこともありますので、県の農林(水産)振興事務所に問合せてみましょう。

土地、建物の価値

●実際の取引価格

不動産の価格は、実際の位置や形状などの条件によって、大きく異なります。また、不動産業者によっても異なりますので、複数の不動産業者に問合せてみましょう。

●参考値(公示地価等)

公示地価、基準地価又は路線価で概ねの土地価格が分かります。これらは、国土交通省又は国税庁のホームページで調べることができます。
また、土地、建物の評価額は、固定資産税通知書に添付される課税通知書に示されており、各市町で固定資産税の評価額の証明書を取得することもできます。

土地
公示地価
一般の土地取引の指標とするために国土交通省が定めた標準地の価格を毎年調査、公表する価格
基準地価
都道府県が定めた基準地の価格を毎年調査、公表する価格
路線価
国税庁が主要路線の価格を毎年調査、公表するもので、一般的に「公示価格」の80%程度となっている。
土地建物
固定資産税評価額
納税通知書に添付される課税明細書に記載されおり、一般的に「公示地価」又は「基準地価」の70%程度の価格となっている。