第14条任せよう。

認知症になると、住まいの管理や処分のための判断が難しくなり、必要な対応がとれなくなることも。そんな時は、後見人が必要な支援を行うことができる成年後見制度を活用しましょう。

任せよう。

成年後見制度

判断能力が不十分になると、不動産や預貯金の管理や各種契約を結んだりしようとしても、自分で判断をすることが難しくなります。このような判断能力の不十分な方々を保護し、支援する制度です。

成年後見制度の種類

大きく分けると、任意後見制度と法定後見制度の2種類があります。

任意後見制度
本人の判断能力があるうちに本人が行う
手続先:公証役場
法定後見制度
本人の判断能力が不十分になってから親族が行う
手続先:家庭裁判所

●任意後見制度

本人の判断能力があるうちに、あらかじめ代理人(任意後見人)を選び公正証書で財産管理等の代理権を与える任意後見契約を結ぶ制度です。本人の判断能力が低下したあと、任意後見人は、家庭裁判所が選任する任意後監督人の監督のもと契約で定めた事務を行います。

公証人の作成する公正証書

●法定後見制度

本人の判断能力が低下したあと、親族等からの申立に基づき、家庭裁判所が成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)を選びます。成年後見人等は、本人の利益を考えながら、本人を代理して契約などの法律行為をしたり、本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり、本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって、本人を保護・支援します。

家族信託

住まいの所有者(委託者)は、自身の能力が低下する前に特定の目的(自身の老後の生活等)に備え、財産の管理・運用・処分する権利を信頼できる家族等(受託者)に託すため信託契約を結ぶ方法もあります。託された財産は、特定の目的以外に使われることはなく、家庭裁判所への手続等もなく、家族構成や事情に応じて実情に即した管理・継承が可能となります。

制度の活用に当たっては、専門家に十分ご相談ください。

相談先:第23条 専門家に頼ろう。