sasarai(ささらい)
〜豊岡市出石町〜
かつて旧城東町の中心として栄えた篠山市日置地区。江戸時代に建築された旧西京街道筋にある商家をレストラン、洋菓子や衣類の販売店舗などの複合施設として再生。地元旬菜を使った料理の提供や食育ワークショップの開催などを通じて、地域の活力向上に貢献しています。
古民家再生までの歩み
2002/03 | 日置地区の皆さんとまちづくり活動を実践する中で、空き家となった商家を紹介いただく |
2009頃 | 「とあっせ」の藤岡さんと出会い、改修プランを一緒に話し合う |
2010/05〜2010/08 | 古民家再生促進支援事業(建物調査) |
2010/08〜2010/09 | 古民家再生促進支援事業(再生提案) |
2010/11 | 所有者・市・一般社団法人ノオトの3者で商家活用に関する基本協定を締結 |
2010/12 | 古民家再生促進支援事業(改修工事費補助)申請・交付決定 |
2010/12〜2011/03 | 改修工事 |
2011/03 | sasaraiオープン(26日) 現在は3店舗で営業中 |
達人に聴く"古民家再生の秘訣"
一般社団法人ノオト 代表理事
金野 幸雄(きんの ゆきお)さん
東京大学工学部土木工学科卒業後、兵庫県職員、篠山市副市長を経て、2009年に一般社団法人ノオトを設立。限界集落や城下町などに起業家や事業者を誘致し、古民家を活用したホテル・レストラン等を整備して滞在型の観光地として再生。近年では地域の金融機関等とも連携して、古民家再生の取組を全国的に展開している。
古民家再生に取り組むきっかけは?
地域資源としての「古民家」には以前から着目していました。今から12年前、同じ兵庫県職員だった酒井宏一さん(現NPO法人町なみ屋なみ研究所理事長)が篠山の町屋を購入して再生を始めるというので、建築士の才本謙二さんらと手伝うことにしたのが契機となりました。
古民家活用におけるノオトの役割は?
ノオトは、物件の借上、資金調達、建物改修などにより、空き家となった古民家を社会に提供する中間事業者の役割を担っています。sasaraiでは、芦屋で飲食店とプリン製造販売をされていた藤岡さんを事前にマッチングして、藤岡さんとも話し合いながら、古民家の改修プランをまとめました。
古民家活用を通じて実現したい事は?
古民家は、地域の自然や歴史文化に根ざした建築文化ですし、地域の生活文化、食文化を容れる器でもあります。空き家となった古民家を活用して、そうした地域固有の「暮らしの豊かさ」を表現したいと考えています。その豊かさを求めて、観光客が訪れ、若者が移住する……篠山ではそのことが既に実現しています。